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「まいにち~語」での変更点は何だったのか(3月1日)

2008年4月よりNHKラジオ講座は大きく姿を変え、「まいにち~語」という名前に変わっただけでなく、その講座体制も大きく変わりました。これまで11ヶ月が経過し、その概要がだいたい分かったと思いますので、ここでまとめておきたいと思います。以下にタイトル、詳細、コメントの順で書きます。なお、私が学習したり聞き流したりした講座は、「まいにちフランス語」「まいにち中国語」「まいにちロシア語」「まいにちイタリア語」だけですので、その範囲内の話になります。

(1) 1回の講座時間の短縮、6ヶ月間での回数の減少

詳細: 従来の20分間講座が15分間に短縮され、また週6日間(月~土)の放送が週5日間(月~金)に変わった結果、レッスン数が入門編(6ヶ月)100回、応用編(3ヶ月)26回から週5回講座(6ヶ月)120回、週3回講座(6ヶ月)72回、週2回講座(6ヶ月)48回 or (3ヶ月)24回などに(ほぼ)減少。これにはメリットとデメリットがあり、時間短縮により再放送の回数を増加できる(聞き逃しにくい)ことや、15分間なので忙しい人も聞きやすいという面もあるが、同時にカリキュラムは削らざるを得なくなり、従来よりも習う文法事項や単語数が減っている。

コメント: 私的な感想ですが、週5回講座はともかく、週3回の入門編はあまりにも物足りなくて、今後聞きたいという気持ちが減ってきています(逆に旧来型のアンコール講座に魅かれます)。ライトユーザーの方の感じ方は違うのかもしれませんが。

(2) 従来の入門編・応用編の枠組みの廃止

詳細: 従来はどの外国語でも入門編週4日、応用編週2日という共通の枠ががっちり守られていたのですが、それをしなくてよくなりました。だから組み合わせとして、初級3日+中級2日(代表的なパターン)や、初級2日+中級2日+上級1日や、初級4日+中級1日など自由に出来ます。

コメント: 大学で第2外国語に力を入れなかったり、従来の独仏から中国語を履修する学生が増加したりで、大学生をラジオ講座受講生の主な供給源として考えられなくなったため、それぞれの外国語が新しいお客さんを探そうとしているようです。そのために、日割りの仕方を変え、それぞれの見込み客層をとらえようとしているのではないでしょうか

(3) レベル設定の自由化

詳細: 旧来の入門編では一応ひととおりの文法を教えておこう(たとえ触るだけでも)というカリキュラムだったのですが、今回からこだわらないようです。レベルの名前も、初級編、基礎を固める6ヶ月、かたつむりの初級編などさまざま。内容もロシア語(黒田氏)のように極めて初歩だけで自信をもって習えるようにしたり、フランス語(清岡氏)のように自主学習を前提にしたり、中国語(荒川氏)のように基礎でも実用となる会話をどんどん入れたり、とよく言えばバラエティ豊かなものになりました。

コメント: 特徴が強く出ている分、自分のニーズに合わない方向性だと、たぶん、受講していて苦しかったり、つまらなかったりする度合いも強いかもしれません。私はバラエティ豊かで面白いと思っていますが。

(4) ネイティブ話者出演者の日本語解禁

詳細: ネイティブ出演者は、従来教えている外国語でしか話さない方針(多少例外あり)だったのですが、翻訳する時間を節約するためか、リラックスした雰囲気にするためか、番組によっては主として日本語で話したりするようになりました(前期のフランス語、ロシア語)。

コメント: レナ・ジュンタさんやカーチャ(エカテリーナ)さんに親しみを覚える人もいると思いますので(私も実は…)、一概に悪いとは言い切れませんが、本物の中級より上ではやめてね。

(5) アンコール講座との並行放送

詳細: どの講座も現行の「まいにち」のほかに「アンコール~語講座」という形で、過去の講座をアンコール放送することになりました。1日1回しか放送しない、CDを発売しない、などのデメリットはありますが、面白い試みだと思います。

コメント: 宣伝してませんが、実はこれが一番大きい変化だと個人的に思います。これまで現在の講座は一本道で、先生がキライとか内容が合わない場合は聞くのをやめるしかなかったのですが、もう一本道があることで、そちらに逃げることもできるようになりました。まあ多分、「まいにち」の変更があまりに大きいので激変緩和措置なのでしょうけど。私にもメリットがありました(フランス語中村先生の旅行会話、遠藤先生の中国語応用編)。二本道という観点からすると、4月からのアンコールまいにち中国語、ハングル講座、ロシア語はちょっと残念です。

長くなってしまいました。
皆さんはどういう感想をお持ちでしょうか?あと、抜けていることがあったら教えてください。

by L-monger | 2009-03-02 01:21 | NHK語学講座 | Comments(5)  

Commented by chicory at 2009-03-04 19:50 x
こんにちは。
「アンコール」を聞いているので、「まいにち」未経験者の私が言うのもなんですが(w)、フランス語の場合、初級が週に3日というのは少なすぎると思うのです。
ラジオ講座は、短い時間でも毎日フランス語に触れるリズムを作ってくれるものとしては、非常によくできています。それが週に3日では学習習慣作りにはもはや役に立っているといえない気が・・・。
「アンコール」と2本立てになっているのも(緩衝措置が2年続くのも)、初心者にはまぎらわしいような気がします(私はうれしいですけど)。
Commented by L-monger at 2009-03-06 00:59
chicoryさん、同感です。以前は20分間 x 4日 = 80分間だったのが、15分間 x 3日 = 45分間ですから半減なのですね。1週間に習うことが少ないと、復習してもすぐ終わってリズム形成にならないです。どこが「まいにち」なのでしょう(不満)。
今後は、週80分間(アンコール入門編週4日)または75分間(まいにち週5日編)しか、相手にするのはやめようかなと思ったりしてます。
Commented by まゆの at 2009-03-06 08:18 x
自分の聞いたイタリア語と中国語についてしかわかりませんが、中国語に関しては通年講座のようになり充実した感があります。ただ中級以上の人は上半期は入門だけで面白くないでしょうね。
 イタリア語は昔を知らないのでなんとも言えませんが、簡単になっていると思いますね。毎日やってもあまり進まない講座もどうかと思います。
 アンコール講座に期待していたのですが、思ったよりばっとしませんでした。中国語の古い講座で好評だったものを聞きたかったです。
 言語によって先生によって方針を変えて自由に出来るようになったのは面白いですが、つかみどころがない印象も与えますね。そして全体的にはレベルダウン傾向で、ちょっと齧ってみたい人向けになってきているのでしょうか。時間的に短くなったことと関連があるのかもしれませんが、ちょっと寂しいです。
 今後アンコール講座が長く続くことを希望しているのですが、怪しい気もします。一時的な移行措置でないことを祈ります。
Commented by EXLIBRIS at 2009-03-24 09:42 x
移行期ととらえていますので、アンコールもこの1-2年ではないかと思います。内容をみても「?」な点がありま
すし(アンコールフランス語応用編は、もうちょっと
なんとかならないかな、と思います)。
Commented by L-monger at 2009-03-26 01:00
アンコールの本当の意味はだれも言ってませんものね。いずれ中級編専用時間帯(主に再放送で)になり定着するのか、「まいにち」完全移行が完了した段階で消えるのか。これらを言語により差をつけるのか。
意外と去年から今年前半のテキストの売り上げ次第かもしれません。

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