「把」構文が必要な理由(7月12日)

「まいにち中国語」応用編(陳淑梅先生)の第28課について、書こうと思っていたことをSaitoさんに先を越されてしまいました(あちらのブログ「はヘン?」を参照)。後追いになりますが、書いてみます。

「把」構文について、特定の目的語とか付加成分のある動詞とか、外的な条件だけを教えても、日本人学習者はたぶんずっと使いこなすことができません。とっても大事なことを忘れていませんかってんだ。それは、何のために「把」構文を使うかと言うこと。その点について、我が心の師、榎本英雄先生はたとえ入門レベルでも明解です(2005年1月26日放送ラジオ中国語講座入門編のステップ63)。

(引用開始)
"把"は目的語(動作行為の対象物)を導く前置詞で、目的語に加えられる動作行為を際立せて述べる表現を作ります。また、動詞が"放在~"のような「もの」目的語を後に置くことができない複合動詞の場合も、前置詞"把"によって「もの」目的語を動詞の前に引き出し、表現を組み立てます。
(引用終了)

つまり、既知の目的語について処置結果を強調して言いたい(結果補語など)場合に使う表現なのですね。この発想順が大事かと思います。「言いたい処置結果」がある場合、ぐっと我慢してこれを言わず、まずはご存じの「もの」について「把」で言っておくというわけですね。一昨日のコメントでも言いましたが介詞「把」についても同じことが言えるのかもしれません(コメントより引用=「在」のような介詞の役割って、「ここは重要な部分じゃないよ、重要な部分はもっと後に出てくるよ」というマークじゃないでしょうか。))

あ、もう一人の心の師、遠藤光暁先生も面白いことを言ってました(「中国語のエッセンス」(白帝社))。

(引用開始)
また、"把"構文は命令文とよくなじみます。例えば"吧"を"把"構文の文末に付けると:
你把信写完了吧!
のように「手紙を書き終えてしまいなさい。」と命令文になるのに対して、SVO構文だと:
你写完信了吧?
のように「あなたは手紙を書き終えたんでしょう?」という推測を表す意味になります。これは"把"が「処置」を表す、という性質から「~してしまうように」という命令の語気と相性がよいものと思われます。
(引用終了)

こういうの一まとめにした文法書(?)があればなあと思います。中国語の意味体系全体の中での各表現法の位置づけを俯瞰できるような文法書、欲しいなあ。それでいて、ごちゃごちゃ書かれてないやつ。

今、まい中入門編を聞いている人は、中国語の文法が分かりづらいことないですか?
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by L-monger | 2010-07-12 14:35 | 中国語 | Comments(4)  

Commented by p3-saito at 2010-07-22 00:28
コメント遅くなりました。そうなんですよね。「必ず“把”を使わなければならない場合」や「“把”を使わなくてもよく、その時に“把”を使う場合とのニュアンスの違い」を説明してくれる先生が好い老师と思います。
よく纏まってる文法書もいくつかありますが,全ての要求には応えてないので,ピックアップするしかないかと思ってます。
Commented by L-monger at 2010-07-27 18:42
Saitoさん、コメントが普通じゃないですか?どうかなさいました?それとも私の偏見ですか(笑)
今の応用編(陳淑梅先生)は良いポイントを突いているのですが、メインポイント以外の説明はしないので、「あれとあれとあれ、ついでに説明すればいいのになあ」と思うことしきりです。私の知識が増えてきているせいでしょうか。
Commented by p3-saito at 2010-07-27 23:40
なぬぅー、普通にフツーな私ですっ!
その知識を披露キボンぬ、なう?(^_^;
Commented by L-monger at 2010-07-30 15:59
Saitoさん、ははは。そうこなくっちゃ。
知識といっても大したものではないですが、これから気がついたら書きますね。

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