人気ブログランキング | 話題のタグを見る

年齢を訊くのが失礼なフランス語、そうでない中国語(6月7日)

ずっと住んでいる日本でも、かって留学したアメリカでも、女性に年を訊くのは失礼だというルールになっていて、特に疑問も抱かず、女性にはうかつに年を訊かないようにしてきた。(でもなんで失礼なのかは知らない。男性中心社会で、女性の価値を若さにおいているからだろうか?)

この件について今週のラジオ講座で対照的な例を見つけて、愉快だった。

まず「まいにちフランス語」(入門編; 久松健一先生)の第27課(6月5日)の「Vous avez quel age, mademoiselle?」(年はおいくつですか、マドモワゼル?)という質問文がある。これはフランスでも何気なしに訊いてはいけないのだろう。だから、質問者は警官なのだ。質問されたのは未成年に見えやすい日本人女性が煙草を吸っているからなのだ。つまり、職務質問なのだ(笑)。

ところが「まいにち中国語」(三宅登之先生)の6月5日のレッスンでは「你比我们大吗?」(あなたはわたしたちより年上ですか。)と女性に向かって訊いている。直接年齢を訊いたわけではないが、日本だったら、相手の女性に「ふん!」と言われそうだな。

検索してみると、この辺りは中国でも変化しつつある部分らしいけど、元々、初対面の人に学歴や年齢、給料を訊くのは失礼でもなんでもなかったらしい。最近、女性に年齢を訊くのは失礼という受け取り方に変わってきたらしいね。

面白いなあ。でも中国語の「年上」という形容詞は「大 da4」だから、なんか「偉大」な感じがするね。「あなたは私たちより偉大ですか?」という感じ。

そもそも年齢の上下を知らないと、敬語の使い方も確定しない部分があるから(中国語よりも韓国語がそうかな)、訊く必要もあるのだろう。

いずれにせよ、年上や年寄りを大事にする文化を反映しているみたいで、私はこの「大 da4」という表現、好きだなあ。年取っても若作りでないといけない文化はどうもなあ(女性だけじゃなくて男性もね)。

by L-monger | 2013-06-07 18:29 | Comments(2)  

Commented by ぽてこ at 2013-06-08 18:02 x
語学テキストは文法や語彙だけでなく、その国の文化や常識も教えてくれるんですね。外国人向けの日本語テキストには、もしかして「若く見えることが重要」という文化が反映しているかもしれませんね。

中国語の年齢の大小について、私は単純にビッグとスモールのイメージを感じてしまいます。それで、台湾のタレント姉妹の姉が「大S」、妹が「小S」という愛称だと聞いた時、小錦のような姉を想像してしまいました。実際はほっそりと美しい人なのに。
Commented by L-monger at 2013-06-09 14:42
ぽてこさん、そうです!語学テキストは(日本語テキストも含めて)そのつもりで見れば、その国・文化特有の価値観や世界観の宝庫です。だから英語屋の私は、中国語から目が離せないのですね。逆に、中国語が得意な人は英語もやってみると面白いと思います。

ところでビッグとスモール、おっしゃる通りです。年齢を重ねるごとに何かを失っていくという価値観と逆に、何かを得ていくという考えではないでしょうか。それって、いいよねー。小錦…笑いました。

<< 文法を考えなければ会話できる?... なぜ中国語で北乃きいの名前は「... >>