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中国語「是~的」構文の私的理由づけ(9月5日)

(以下は自分が理解しやすくするためのフィクションです。良い子の皆さんは決して信じないでください。)

中国語には「是~的」構文というのがある。「時刻」「場所」「手段」「主体」を強調するために使われる、と説明されることが多い。

あれ?強調?じゃあ、強調したくなければ使わなくても良いのですか?「(X) 你什么时候来了?」(あなたはいつ来ましたか?)って言えるのかな?言えない?なんで~?

丸暗記すれば悩まなくても良いのかもしれないが、気になって仕方ない。そこで自分用のフィクション的文法説明をでっちあげる。

(1) 中国語は、そのままではセンテンスの後ろの方を強調する言語である。我昨天来了。(私は昨日来ました。)では「昨天」は「来了」を修飾するので、強調ポイントは「来了」にある。

(2) このように通常は動詞を修飾するだけの、強調ポイントとならない「動詞前要素」(つまり「時刻」「場所」「手段」「主体」)の方を強調するために「是~的」構文を使う。

(3) 我是昨天来的。(意訳すると「私が来たのは昨日です。」)のように「是」の後の要素が強調されるようになる。逆に「的」の付いた動詞部分は、こちらは比較的重要でない、強調されない部分であるという位置づけになる。

フランス語でいえば、C'est hier que je suis venu.みたいな感じかな。「C'est~que」 構文が、「是~的」構文。(ウソです)

で、(3)番の内容を聞く疑問文としては、やはりポイントを時刻に置くために、「你是什么时候来的?」(あなたはいつ来たのですか?)となると言うわけ。

ふむ。これで多少、世の中に出回っている中国語文法説明に欠けている(と私が感じてしまう)部分が埋まったかな。

by L-monger | 2013-09-05 14:04 | 中国語 | Comments(6)  

Commented by p3-saito at 2013-09-07 22:22
日本の中国語講師がよく説明しない点を疑問に取り上げたのはエライ!
私がカフェ勉で併読中ちょうど今日読んだ『中国語の環』('87第2号)「意外にむづかしい中国語」という記事に①他什么时候来?②他什么时候来了?③他什么时候来的?3文の解説があるけど知りたい?(^_^;
また(あまり調べてないけど)↑の出自で私のバイブル本にも加えて原記を見つけましたょ。
さらにC'est … que ~ が“是……的”構文の説は私も
h)ttp://p3saito.exblog.jp/17232151/
の追記で(先に)書いてました。(^^;;
Commented by L-monger at 2013-09-11 16:16
Saitoさんて負けず嫌いですね。私は負けるが勝ちです。趣味の違いがあるなあ。
Commented by L-monger at 2013-09-11 16:22
(るも)「把」構文もこの強調ポイントずらしかもしれない。「動詞+目的語」だと後ろの目的語の方が強調されるけど、「把+目的語+動詞」にすると、動詞が後ろになり、動詞(多く、結果補語付き)の方が強調されるという形になる。逆に「把+目的語」は比較的重要でないというマーカーなのかも。なのかも。なのかも。(大事なことなので三回言いました)
Commented by p3-saito at 2013-09-11 22:27
そんなに褒められても~(^^ゞ
アッチの方で疑問に応え(&宿題も出し)ときましたょ。
Commented by ハリボー at 2013-09-15 19:33 x
仏語のC'est...que...構文と比較で、なんだかすっきり分かったような気になりました。ありがとうございます。

中国語は、見慣れた印欧系とはいろいろと勝手が違うので、すべてが新しく見えがちですが、全部が全部というわけではなく、共通で使える部分もある(厳密には違うのかもしれませんが)んだな、と新鮮な気持ちになりました。

別記事のステップアップ・ポルトガル語講座の情報も、知らなかったので、得した気分になりました。先学期に普通のポルトガル語講座聴いていたのですが、どうもゆっくりなペースだったので、それが(万一)解消されていたら、聞いてみたいと思っています。でも他にあまりいい選択肢もないし、きっと聞いてしまうのだろうなと思います^^;

最近は仕事(るもんがさんと同業です)が忙しく、なかなかラジオ講座もできないのですが、るもんがさんのブログを励みにがんばろうと思います。
Commented by L-monger at 2013-09-18 15:44
ハリボーさん、お久しぶり! お役にたてれば幸いです。一応フィクションの文法なんで、それだけお忘れなく(笑)。理解するために無理してこじつけてます。中国語は文法を極限まで切り詰め、そのかわりに語彙に大きな働きを負わせた言語です。文法が一神教の神のようにふるまう西洋言語と違い、中国語の文法(ほんとうに文法なのか?)は多神教の神々の一人にすぎないようです。

前作・ポルトガル語入門は、講師の浜岡究先生によれば、画期的な講座だったそうですが(テキストに記述あり)、外国語がきらいな人にはそうかもしれません。しかし、外国語好きには説明が簡単すぎて食い足りなかったですね~。今回のステップアップのテキストをオンラインショップで頼んであります。勉強する気はあまりないけど、講座は全部聞きます。楽しみ~。

ご同業でしたか。忙しい仕事ですが、お互い語学も頑張っていきましょう!

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