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中国語の二重目的動詞はそれだけを覚えるな(1月21日)

中国語の一部の動詞は二重目的語を取れるが、その二重目的動詞だけを固めて教えるテキストが後をたたない(ラジオ講座「まいにち中国語」を含む)。それではダメ。とても使えるようにはならないと思う。

外国語(言語)の要素と言うものは、複数の項目を比較しないと各項目ひとつひとつさえ理解できない。だから日本人学習者の多くは単一の目的語しかとれない動詞(実はそっちが多い)まで、二重目的動詞に使ってしまうのだ。それは多くの場合、教え方が悪いのだと思う。

今私がメインでやっている「作文で鍛える中国語の文法」(宮岸雄介先生)は両方を並べて教えているところが気に入った。

例えば、以下にあげたのは解答のページだが、Ⅰ-①番の問題は、以下の文の間違いを正せと言うもの。
(×)「李老师讲我们经济学。」
中国語の二重目的動詞はそれだけを覚えるな(1月21日)_c0059093_0402647.jpg


ご覧のように、二つの答えが用意されていて、一つは二重目的動詞「教」に変える方法、もう一つは元々の単一目的動詞「讲」を生かして同じ内容を言う方法だ(李老师给我们讲经济学。)。

これは感心した。単に「教」を使えというより、ずっと応用力が付いて、この例に限らず、二種類の動詞パターンを使い分けることができるようになるのではないかと思った。文法の個々の項目だけに集中せず、複数の項目への目配りを忘れない。テキストや講座はぜひそうあってほしいものだ。

(蛇足だが、私は上記の問題をやった後、正解をもじった二種類の文を自分でも作り、日本語訳からぱっと中国語にしたりする練習をして、なるだけ反射的にこのパターンを使い分けられるように練習している。理屈だけを覚えてもしゃべれるようにはならないからだ。)

by L-monger | 2014-01-22 00:49 | 中国語 | Comments(1)  

Commented by L-monger at 2014-01-25 12:21
(るも)教え方がどうであれ、学習工程としては(フランス語を例に挙げると)、複合過去形のみ、複合過去形と半過去形の区別、複合過去形と半過去形と単純過去形の区別、のように順に対照相手を増やして行くべきだ。

いわんや中国語をや。たとえば「可能/不可能」の表現が山ほどあるのに、その区別を対照させたり、表現を言い換えることで、ちゃんと教えようとしないのはなぜなのだろう?「会・能」の否定とさまざまな可能補語の否定形を言い換える練習がないのはなぜだろう?(言い換えできないならできないという教えも大事)

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