ラジオ・テレビ講座はターゲット年齢層・性別に合わせているのか?(15年6月18日)

『「日本人と英語」の社会学 なぜ英語教育論は誤解だらけなのか』(寺沢拓敬著)(アマゾンのページ)を読んでいる。その中の第7章「英語以外の外国語の学習に対する態度」という章があり、大阪商業大学 の調査 JGSS-2006 の結果を解析していた。もちろん調査に答えてくれた人というバイアスはかかっているわけだが、考えるヒントとして興味深い。以下に一部をしめす。
c0059093_1511479.jpg

その国への親近感と言語への関心にはギャップがあるようだ。中国語と韓国朝鮮語への関心が圧倒的に高いね(現在、学習している人とは限らないが)。どうりでNHK講座ではこれら2か国語の扱いが大きいわけだ。
c0059093_15135469.jpg

この7.3節が面白い。「若年層・高学歴女性のフランス語・イタリア語」「中年層女性の韓国朝鮮語」「若年層男性のスペイン語・ポルトガル語」「中高年層男性のドイツ語・中国語」という相関が見られるらしい。

NHKのラジオ・テレビ外国語講座はこの相関関係を考慮して、ターゲットに合わせた講座にしている面もあるかもしれない。私の知っている範囲で例を上げると、「まいにちフランス語」入門編のスキットの主人公は、「パリに短期留学している(若い)女性」というのが数年間続いた。「テレビでフランス語」の現地映像はほとんどいつもパリの旅行案内のようで、まるでHanakoなど女性雑誌のようだ(テキストも女性雑誌っぽい)。

「テレビでハングル講座」は女性向きに韓流スターや歌手を前面に押し出したスキットとか出演者だ(今年は深夜番組となり予算が減ったおかげで、まともな路線にもどったようだが)。それに対して、ラジオの「まいにち・レベルアップハングル講座」はわりあい真面目路線だが、真面目女子を狙っているんだろうか。

「テレビで中国語」の壇蜜さんは、主に中高年男性を狙っているのは明らかだよね(もちろん女性ファンも取り込めるキャラクターなんだが)。不思議なのは「まいにち中国語」でスキットの主人公が大学生というパターンがここ3年間続いている。大学での中国語人気は下がってないのだろうか。

ちなみにアンケート調査では沈んでいたロシア語だが、「まいにちロシア語」入門編(臼山利信先生)の主人公が、ロシアの大学に留学中の商社マンというヒネリは非常に面白い!大学生も社会人もターゲット層として取り込める素晴らしい設定だ(笑)。これくらいしないと日本でのマイナー言語は生き残れないかな。
[PR]

by L-monger | 2015-06-18 15:49 | NHK語学講座 | Comments(2)  

Commented by L-monger at 2015-06-18 21:26
(るも)でも聞いているのは私のような中高年男性が多かったりして。→ 「まいにち中国語」でスキットの主人公が大学生…
なんたる皮肉。
Commented by L-monger at 2015-06-29 12:00
(るも)ロシア語のスキット主人公ケンは6月まで大学キャンパスにいることが多かったが、7月は出張でカザフスタンのアナスタへ行ったり、ビシュケクでキルギス料理を食べたりと活動範囲が広がるようだ。ロシアの大学に通う商社マンという設定が生きてきた(笑)。ロシア語ができるとこんなに広範囲の地域で役に立つというアピールでもあるかな。

<< 7月号テキスト購入と15-4月... 英語版スペイン語文法書 Bar... >>