人気ブログランキング | 話題のタグを見る

フランス語の小説を読んでいます(7月15日)

(たしか)ピーター・フランクルさんが、(たしか)NHKラジオに出演したとき、「日本に何年も住んでいる外国人で、日本語が一向に上達しない人というのは、日本語を読んでいない人」という趣旨のことを仰っていました。

また、私自身の経験で、大学に入ったばかりの頃、英語の勉強で(といいつつ自分の楽しみで)、薄い(200ページぐらいの)英語のぺーバーバックを毎週末徹夜などして一冊読むようにして、一年ぐらい続けたらかなり英語が身体にしみこんだような気がします。

というわけで今やっている各外国語でも、「まいにちフランス語」などの「離乳食」ばかり食べず、いつかは小説などの「大人の食事」をしないと伸びなくなるのは分かっているのですが、20歳ぐらいのときと違って「時間がない!」「体力もない!」のでぼちぼちで進めるしかないわけです。

というけでこの前、フランス語の専門書店で買ってきました。Daniel Pennac の L'oeil du loup (邦題:片目のオオカミ)(フランスアマゾンはこちら)は、表紙のバーンと大きいオオカミの顔のイラストと少ないページ数に惹かれて買いましたが、調べてみたらペナックは児童文学などで有名な作家で、この小説も彼の代表作の一つでした。

内容はご存じの方も未読の方もいらっしゃるので言いませんが、A partir de 9 ans (9歳以上対象)にしては面白いです。しかし、たった93ページの本なのですが、私の読書時間が木~日の各15分間で、各2ページしか進めないのです。辞書はなるべく引かないようにしていますが、専門用語(毛皮とか、鼻面とか=笑)もあるので、児童文学でも簡単ではありません。もっと読む日もあったので、今40ページまで来ていますが、あと7週間はかかりますね。まあいいけど。

「離乳食」としての読書は、例えば Lecture Facile などの語数を減らしてリライトした本を読む手もあるのですが、どうも私は書き直した小説の言葉が切れ味が鈍くて、好きになれません。

逆に今読んでいる本で「切れているなあ」と思った表現。主人公のLoup Bleu (ルーブルー=青いオオカミ。カッコイイ名前!)が人間に頭を殴られてしまった場面:

Et ce fut le choc. Comme si la tête de Loup Bleu explosait. Et la nuit. Une nuit pleine d'étincelles où il tombait, tombait, n'en finissait plus de tomber en tournoyant.

文法的によく分からない所もあるのですが(笑)、場面が目の前に浮かんでくるみたいな気がします。(ちなみにLoup Bleu はこの後、別の場所で目を覚まします。ご心配なく。)さあ、今週もまた読もうっと!

by L-monger | 2008-07-16 01:16 | フランス語 | Comments(6)  

Commented by chez_toi at 2008-07-16 05:55 x
るもんがさーん、引用部分のテキスト難しいですよ。これでも児童書ですか。Et la nuit.は「夜になった」ということでよいのでしょうか。その次のUne nuitが不定冠詞なのはなぜなのでしょうか。感覚的には何となくわかるような気もしますが、文法的にうまく説明できません。Une nuit pleine d'étincelles というのは詩的な表現ですね。恥を覚悟で訳してみます(辞書引きまくり)。

ひどい衝撃だった。ルーブルーは自分の頭が割れたのではないかと思った。そして日が暮れた。オオカミはきらめきに満ちた闇の中を落ちていった。ぐるぐると回転しながら果てしなく落ちていった。

単純過去と半過去をうまく訳し分けられていない感じがしますが、その他、comme siの処理を含めて誤訳のご指摘、感謝します。それにしても子供向けとはいえ、文章に格調の高さが感じられます。このあたりがリライトされたリーダーとの違いでしょうか。
Commented by まゆの at 2008-07-16 07:00 x
子供向けの絵本類でも侮れないですよね。子供に読んであげた絵本の単語が難しい、という目に何度もあいました。小学生の子供が面白いというので読んでみたら意外に高度な文体、ということもありました。子供向けだから簡単ってことはないですよね。11歳以上向けの本はペーパーバックの種類も多くて内容的にも大人でも楽しめるものが豊富です。9歳からのと比べると全体に長いものが多いですけど。
 私もどうも学習者向けに書き下ろした読み物はあまり好きに慣れません。フランス語では読んだことがないのですが、英語で何冊か読みました。なんだか文章に香りがないというか、分かりやすくても文学の香りがないので、ストーリーだけ分かっても夢中になれないんです。
Commented by はちゃぷ at 2008-07-16 11:12 x
ラジオは、り、離乳食ですか〜。
道理で、私はいつまでもオムツがはずれない訳です。
こちらの、本を読んでいらしたのですね。楽しそうです!
でもまた貯めちゃいそうなので、しばらくは見ないようにしなくちゃ。
フランス語の先生から教えていただいた子ども向けのwww.lesclesjunior.com/このサイトでニュースを読んでいますが、それでもかなり時間がかかるし、分からない単語続出です。でも、読み物に出て来た単語は覚えやすいですね。早く「あんよ」がしたいものです・・・。
Commented by L-monger at 2008-07-17 01:07
chez_toiさん、前後が分からないのにがんばっていただき、ありがとうございます。ちなみにこの場面はもう夜なので(私が読み違えてなければ)、la nuit は目の前が真っ暗になったのだと思います。étincellesは頭にカタイものがぶつかった時に見える火花ですね(経験ありますか?) une nuit は、もし英語と同じ考え方なら、形容する語句が付いたので特定化したのだと思います。ここが半過去なのは、英語ではそういう使い分けがないので、よく理解できません。
Commented by L-monger at 2008-07-17 01:11
まゆのさんも graded readers はお好きでないですか?おお同志!そう、気の抜けたサイダーみたいになっちゃうのですね。

11歳はかなり大人でしょうね。そうかといって6歳くらいだと大人にはアホらしく感じるし。9歳ぐらいと言うのは私の今のフランス語レベルにはちょうど良いくらいの長さ、複雑さかなと思います。でも、単語が難しーーい(時々)。
Commented by L-monger at 2008-07-17 01:16
はちゃぷさん、がっかりしないでくださいね。でも離乳食はいつか卒業するものですから、そういう意味です(卒業しないまでもメインに置いておくことはできなくなる)。

でもそう言いながら、読んでいらっしゃるではないですか!リンク先見ましたが、結構骨がありますね。きっと面白いことでしょう。

ネット上には読み物が多いから、使える人にはとても良いリソースになると思います。しかーし!私はパソコン画面を仕事以外であまり見ていたくないので、紙の本を愛好しています。

<< 中国語とフランス語の応用編(7... 7月第2週の感想(7月11日) >>