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ニコニコ学習法、継続中(6月29日)

フランス語は動詞の活用がたくさんあって、これを憶えるのが大変な反面、動詞を活用させて「遊んでいる」とついでに単語を覚えてしまえるという副産物があります。

アンコールフランス語講座「ソフィーとジル」ステップ49の例で言えば、Je ne m'ennuie pas avec les chats. ((私は)猫と一緒にいると退屈しないわよ)は代名動詞の人称を変えて、Vous ne vous ennuyez pas avec les chats? (あなたは猫と一緒なら退屈しないのですか)とか、Elle ne s'ennuie jamais avec les chats. (彼女は猫と一緒だと決して退屈しない)みたいに変えていくうちに、動詞 s'ennuyer 自体を決して忘れなくなります。(まいにちフランス語「サトシのナント留学記」でも、Il etait tres sage dan son enfance. (子供のころ彼はとてもおとなしかった)なんて「いじりがい」がありそうです。)

中国語は動詞活用がなくて、楽な反面、このような「いじり」ができないので、別の方法を考える必要があります。遙か昔に書いた記事で(「2005年4月22日」参照)、ニコニコ学習法というのをやってましたが、これとはちょっと違うやり方で新出単語が出てくると適用しています。ちなみに2文字の単語を2個並べて発音するので、ニコニコと言ってるだけです(笑)。

今読んで練習している「中国笑話・謎語50選」(中華書店)の第5話を例に取ります。
タイトル: 「熏蚊子」(蚊をいぶす)
本文の1行目: 家里蚊子很多,爸爸点着了蚊香熏蚊子。(家の中に蚊が多かったので、父親は蚊をいぶすために蚊取り線香に点火した。)

語彙練習の音声ファイル(自作):
(1) 「蚊をいぶす→熏蚊子(xun1 wen2zi)」「魚をくん製にする→熏鱼(xun1yu2)」「2つ続けて→xun1 wen2zi, xun1yu2」
(2) 「(ぶんぶん飛ぶ)蚊→蚊子(wen2zi)」「文字→文字(wen2zi4)」「2つ続けて→wen2zi, wen2zi4」
(3) 「点火した→点着了(dian3zhao2 le)」「命中した→打着了(da3zhao2 le)」「2つ続けて→dian3zhao2 le, da3zhao2 le」

例えば(1)のように異音で似た声調、しかも「熏」の意味が少し違うもの、(2)のように同音・異声調、(3)のように異音・同声調など、コントラストさせて練習していると、単語1個だけ憶えるのよりも定着がよいようです。たとえ一方を忘れても、もう一方を憶えている可能性が高いからかもしれません。

あと日本人にとっては1語だけでたった2音節というのは短すぎるのかもしれません。2語を並べて倍の4音節にしてやると、ある種のメロディーを生じて、日本人には楽になるという面もあるかもしれません。

(ちなみにコントラストさせる単語は、エキサイト辞書の当該単語の説明や、前方一致で拾っています。)

そういえば、郭春貴先生は毎日の発音のコーナーで、2語ずつ発音させますね。これもニコニコ学習法と言えるかも。天天笑!だし。

皆さんは忘れやすい単語学習、どうやって忘れるのを防いでますか?

by L-monger | 2009-06-30 01:18 | NHK語学講座 | Comments(6)  

Commented by wenzi235 at 2009-07-04 10:28
こんにちは。
蚊子って私のこと呼んでる~?って思っちゃいました。
実際の私の名前はwen2zi3なんですが、中国に行った時に「蚊子!蚊子!」って呼ばれてしまいました。
皆一度で覚えてくれたけど(笑)
似た発音の単語は覚えやすいですよね。
私は単語は忘れっぱなしです(汗)
るもんがサンを見習いたいと思います!
Commented by L-monger at 2009-07-05 01:10
いやいや、wenzi235さん、用意していたネタがたまたまカブってしまっただけです。イヤなこと思い出したらすみません。
でも中国語って本当に同音・異声調・異義語がおおいですね。今回も文字とモスキートが「同じ」とはびっくりしました。今日勉強したところでは「倒立」(dao4li4、逆立ち)と「道理」(dao4li)が似たような感じです。道理が逆立ちにされてはかなわない!
えと、見習うことなどありません。私も忘れ単語(特に声調)があまりにも多いので、あがいているのです。
Commented by wenzi235 at 2009-07-06 19:04
いえいえ、イヤではなく、楽しい思い出です♪
自己紹介したとたんに爆笑で、名前で笑いをとれるとは!
自分の名前ぐらいはちゃんと発音してるつもりだったんですけれど、声調がちょっと違うだけで全然違う意味になってしまうんだな~と思いました。
中国人の耳には全然違って聞こえるんでしょうけどね。
外国人にとっては日本語の「美容院、病院」とか「おじさん、おじいさん」の区別が難しいらしいですが、日本人の私たちはちゃんと区別してますものね。
それと同じようなものなのかな~?
Commented by まゆの at 2009-07-07 01:34 x
ニコニコ学習法ですか、ネーミングが楽しそうでいいですね。
>皆さんは忘れやすい単語学習、どうやって忘れるのを防いでますか?
 いやー、耳に痛い質問ですね。何もやっていないものですから・・・。でも不思議とこれは覚えないとまずいという状況になったら自然と覚えられるものなんです。実際に必要になったら一発で覚えられます。しかし趣味の学習だと必要に迫られることがほぼないですから、なかなか覚えられない、ということになってしまいますね。リストで暗記とか例文をつけて覚えるとかを試みていますが、忘れやすい単語っていつも同じなんですよね。状況に関連して覚えた単語は忘れない、ということから状況を作って覚えるということも試みているのですが、人工的な状況作りだと忘れやすかったりします。単語を覚えるのって永遠の課題ですね。
Commented by L-monger at 2009-07-09 01:06
wenzi235さん、ご自分の経験をポジティブにとらえてらっしゃるようで良かったです。そういう経験をすると、いやが上にも声調に気をつけるようになりますよね。

長音と短音の区別もそうですが、中国人にとっては日本語はあまりにも早過ぎるそうです。まさか!ですよね?あの密度の濃い中国語をしゃべる人たちが!おそらく一単語2音節程度に慣れている人には一単語5音節も6音節もあるとしんどいらしいです。これも慣れですね。
Commented by L-monger at 2009-07-09 01:14
まゆのさん、それ本当に秘訣ですね。
日常生活で必要だと強烈に意識できれば一発で憶えられます。

ただおっしゃるとおり趣味の学習の我々は、強烈さに欠けます。せめてもの努力ですが、最近、練習ファイルをのんべんだらりと練習するのを止め、憶えられなかった単語に意識を集中し、他の単語間のポーズで再度思い出すようにしています。

あとはまゆのさんと多分同様ですが、既製の例文に加えて、自分でも例文を作ってみるということでしょうか。一部の単語を置き換えて、実際の自分の状況に合わせた例文を作り、これを使う場面を想像すると(たまたま中国人やフランス人に遭遇した自分を創造する)、マシなようです。

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