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文法を考えなければ会話できる?(6月13日)

百ヶ日(卒哭忌)のために再び九州の実家に来た。ああ、しんど(to the third power)。

こちらに来る飛行機の中で「外国語上達法」(千野栄一、岩波新書)を読み始めた(今さら)。私は対象読者ではないが、参考になる部分もあるね。そのうち、感想を書きたい。

ちょっと刺激を受けたので一言。

世間では日本人が英会話など、外国語の会話をうまくできない原因は、文法を気にしすぎるせいだという。だから文法を気にせずに会話すべきだとも。本当だろうか?

私はその答えは Yes であり、Noであると思う。文法を気にしていては会話できないのは確かだ。じゃあ、文法を無視した学習をすれば会話ができるようになるかと言うとそんなことは絶対にない。大人の学習者には無理だ。

問題は、文法をバイパスして習えるという幻想が存在することだ(それを売り物にしている教材もある)。そうではなくて、学習の際は文法にどっぷりつかる。会話の際は文法を忘れるというのが正しいだろう。

皆さんに分かりやすいだろうから、英語の例をあげよう。例の「三人称単数現在形の動詞には -s をつける」という(日本語で書かれた)ルールをお題目のように唱えてもこのルールは使いこなせない。せいぜい書面のテストで良い点が取れるだけだ。

実際の会話で"I don't go to the park every day. How about him?" "Oh, he goes there every day."のgoes がパッと出るように、学習段階では"I go to the park. → He goes to the park." "Does he go to the park? → Yes, he goes to the park." という変形練習など、テニスの素振りみたいな練習を山ほどやることだ。私はそうした。

(ちなみにこのルールは、この例のような単純なセンテンスでは間違えても支障はないが、複雑な主語の場合、ちゃんと守らないと相手に混乱をきたす。その意味でも文法を無視してはいけないのだ。)

by L-monger | 2013-06-13 11:16 | ひとこと日記 | Comments(0)  

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