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入門編の通年化に対する熱意度ランキング (15年3月24日)

NHKのラジオ外国語講座の入門編(英語以外)は現状 6か月サイクルなのだが、今年はヨーロッパ4か国語(独仏西伊)がそろって4月期がゼロレベル初心者向けの前期入門編(去年の再放送)、10月期にその続きとなる後期入門編(新作)をやることになった。6か月サイクルをキープしたまま、疑似的に一年コースをやることになったわけだ(NHKでは「入門編が一年コースになります」とは決して謳っていないけど)。

しかし、4月号テキスト冒頭のあいさつ文を見ると外国語によって、疑似通年化に対する熱意の差が見られる。そこで私が勝手にランキングしてみた。(以下一部だけ引用する。全文を見たい方はNHK出版のテキストのページで「立ち読み」してほしい。)

★熱意度 第1位 = 「まいにちイタリア語」入門編

「ご利用のみなさまへ」
…10月からはこの講座の続きのレベルの「2歩目からのイタリア語」ってのを中矢慎子先生が担当するよ。今年は1年間かけてじっくりたっぷり、イタリア語の基礎を固めてもらえるね!
「ご案内」
…10月からは、9月までの講座を終えたレベルの方をイメージした内容です。さらに具体的なことができるようになることを目指します。2講座を1年間かけてご利用いただくことで、イタリア語の基礎を確実に身につけられる構成となっています。

★熱意度 第2位 = 「まいにちスペイン語」入門編

「ご利用のみなさまへ」
…10月からはこの講座を終えたくらいのレベルの方を対象に、さらに基礎をしっかり固めるための講座、西原照江先生の「スペイン語のジムにようこそ!」がスタートします。タイトルが表しているように、スペイン語の基礎トレーニングを着実に楽しく行いながら、スペイン語での基礎的なやりとりを体感してもらいます。… 4月から1年間かけて、スペイン語の基礎コミュニケーション力をじっくり身につけていただければと考え、このようなラインアップとしました。

★熱意度 第3位 = 「まいにちドイツ語」入門編

「ご利用のみなさまへ」
…秋からの放送では続編となる「Kompass 2」の放送を予定していますので、一年を通じてお聞きいただければ幸いです。

★熱意度 第4位 = 「まいにちフランス語」入門編

( 「ご利用のみなさまへ」には何も記述なし)
大木充先生の「講師あいさつ」
…しっかり足固めをして、10月からのワンランク上の講座にそなえましょう。

どうだろう?一読して西伊と独仏の間に深~い溝がある。これは、イタリア語は継続している学習者が多く(スペイン語もたぶん)、ドイツ語やフランス語は継続者よりも新規の学習者が多いということだろうか。逆に、挫折する人の数が独仏の方が多いのかもしれない(独仏の方が難しい?そんなことないよ。みな同じくらい)。

あるいはひょっとして4か国語全体の疑似一年化が上層部でいきなり決まったので、去年までそのつもりが全然なかった独仏の制作班が出遅れたのかもしれない。あいさつの中で付けたし的に書いているような感じも見受けられる。

なんにしろ少子高齢化だし、大学生は第二外国語必修じゃなくなったし、昔のやり方ではうまく行かなくなったので、先行して過去4年間、疑似一年コースをやっていたイタリア語がうまく行っているから、それに揃えるようにしたという所だろう。

私としては疑似通年化は大歓迎だ。これまでのように、バスの中から名所観光するような印象の薄い講座でなくなるといいな。

by L-monger | 2015-03-24 12:27 | NHK語学講座 | Comments(2)  

Commented by あやこ at 2015-03-24 19:57 x
この時期は次の講座が気になってソワソワしてしまいませんか?(笑)

>大学生は第二外国語必修じゃなくなった
えっ、そうなんですか?知りませんでした。
私が大学生だった15年ほど前はまだ第1~第3外国語まであり、英語に加えてなぜかドイツ語も必修で、3つ目の外国語として中仏ハングルなどから選択必修でした。理系だったせいか外国語学習に情熱を燃やす学生は私以外いませんでした(笑)
巷ではグローバル化だの留学生倍増だの「若者は外を見ろ」だのいろいろ言われているのに、外国語は英語だけでいいというのはとっても矛盾しているように思えます。外国語を学ぶだけでも世界は広がるのに…。

NHK講座は外国語間でかなり温度差があると思います。イタリア語講座は番組もテキストもよくできているのに、ドイツ語ときたら全体的にやる気がないような気がする…とは言い過ぎでしょうか(笑)
Commented by L-monger at 2015-03-25 15:05
あやこさん、ご明察(笑)。ただ、ラジオ講座を再開後12年も聞き続けたので、どの程度面白くなるか想像がつくので、今はやや悟りの境地です。だから、いろんな考察に走るのかな?

第二外国語は1991年の大学設置基準の大綱化以降、必修のシバリが外れたので、縮小の一途とか。(必修でないのが国立大で23%、私立大=短大含む=で58%とか、以下の2004年の論文に書いてありました。)
www.toyo.ac.jp/uploaded/attachment/763.pdf

使えない外国語はコスパが低いっていう世の中の流れなのでしょう。もっとも大学の2年間だけでちょこっと齧るは私もつまらないと思ってました(二外のクラス連中のやる気のないこと)。ずっとずっと前は高校からドイツ語やフランス語やって、大学では英語と独/仏の両方で論文読むってのが常識だったのが、後の世代では一般教養の枠に押し込まれたのが、この惨状の原因だったらしいですね。

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