なぜ外国語の文法は嫌われるのか? (18年4月8日)

「英語は(またはそのほかの言語)、文法と会話をどちらを優先して学習すべきでしょうか?」などという変な質問をよく見かける。文法と会話は対照して考えるものではない。聞くとすれば「読み書きと会話はどちらを優先?」だろう。文法は会話の学習でも、読み書きの学習でも大変有用な学習ツールだ。

なぜ文法はこんなに目の敵にされるのだろう。難しいから?面倒くさいから? 私が思うに大学入試や検定試験で人を選別するためにこの理屈の体系を使うからだろう。でも本来は、文法は学習者が楽をするために、大先輩たちが考えてくれた素晴らしい贈り物だ。

楽をするの意味が分からない人のために数字を使った例題を一つ。以下の10個の数字を直ちに覚えられるか試してみて。
10、1、9、2、8、3、7、4、6、5

どうだろう?頭から暗記しようとすると面倒くさいよね。でもよく見るとある法則に従って並んでいるのが分かる。1個おきに10→9→8というカウントダウンと1→2→3というカウントアップという順番が交互に出てきているのだ。

そんな法則なんかどうでもいいから丸暗記すれば良いと考えると、数分間もかかって大変だけど、法則を使えば、3秒で覚えられる。文法とはこの法則のようなものだ。一見カオスに見える外国語の構文について、仕掛けを教えてくれ、そして、楽をさせてくれる素晴らしいツールなのだ。

(実際、私は例文の瞬訳練習をしていて、文法のおかげで構文の覚えなくて良い部分が増えて、単語そのものに集中できるなど、助かっている)

もちろん、理屈の「呪文」を覚えるだけでは不十分で、実地の「例文」の形で覚えなくてはダメだ。それを覚えたら呪文の方は忘れてもいいし、呪文が分かりにくければ、自分の用語に変えてしまってもいい(ロシア語の不活動体名詞を、人間動物名詞みたいに(笑))。


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by L-monger | 2018-04-08 15:29 | 学習法 | Comments(4)  

Commented by L-monger at 2018-04-09 15:16
(るも)なぜ嫌われるかという理由の一つに、なぜ文法が素晴らしいか理解する前に、ややこしい(本当は単に不慣れな)理屈にさらされるからかもしれない。だから気が重くなるんだろう。本当はゲームみたいなものなのに。

例えば単数と複数の区別など、毎回注意を向けるべきことなのだが、日本人は気が向いたときにしか注意しない。私は本業で他の日本人が訳した英文をよく見るが、なんで単複や加算不可算の区別に気がいかないのだろうなと思う。

中学校1年生(12歳)で毎回ゲームをして、毎回区別する癖をつければいいのに。そしたら、大人になってもできるのにと思う(大学受験などの劣悪な英語テストに精神が汚染される前に)。
Commented by とど at 2018-04-17 14:54 x
 こんにちわ、とどです。
 記事とコメントを拝見しましたが、「文法」ですか…。たしかに面倒くさいや難しいなどと言われますが、日本人って、意外と身近で難しい文法を使っているんですよね。ロシア語が分類や使い分けがあって、一つ一つ覚えるのが難しいと言われますが、日本語文法って、動詞の活用では6つの活用で数タイプあったり、形容詞の活用、助詞の活用など、本当に学ぶとなれば、もしかしたらロシア語より難しいかもしれません。ここ最近、そう感じています。
 会話中心に学んでいても文法は自然と勉強しているのですが、例文は丸暗記するものと考えてしまうとやっていないように思うのかもしれません。完璧な文法を身につけるのはかなりハードルがあるかもしれませんが、覚えた例文を少し眺めてみたり、深堀してみたりすると、必ず文法に準じて作られている文なので、文法を身近に感じて、文法が身に着くかもれませんね。
Commented by L-monger at 2018-04-18 14:58
とどさん、おっしゃる通り。3種類の文字を使い分け、後方に向かって用言が活用する日本語は、外国語として難しい部類なのではないかと想像します。

外国語学習の臨界期までの子供であれば、文法を学ばずとも、膨大な例文から自力で文法規則を編み出せるはずですが、我々臨界期の5歳(?)を超えた大人は外部から規則を注入した方が良いと思います。でも文法規則の呪文(例=3人称単数現在の動詞は語尾にSが付く)ではなく具体的な例文(例=He speaks English better than I.)の方がずっと役に立ちます。おっしゃるとおり、この例文をじーっと見ているといろんな規則が感得できるかもしれませんね。
Commented by L-monger at 2018-04-20 14:50
(るも)文法規則の呪文が理解できないという場合、あなたの頭が悪いのではなく、異質すぎてピンとこないだけだ。その場合、呪文はほっといて、例文を覚えられたらOKとする。例文を増やし続けているうちに「ああ!」という瞬間が訪れるだろう。そうならなくても構わない。すでに例文は頭の中にあり、それが使えるわけだから。

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