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「土星の環」モデル (12月14日)

目からウロコというか、センス・オブ・ワンダーを感じるような記述が、「中国語のエッセンス」にはいくつもあります。

その一つが「土星とその環」というモデル。中国語の語順は以下のようになるそうです。

(主題)  主語  状語  動詞  補語  目的語

動詞が中核に位置し(土星)、その周囲につく要素は主語と目的語、状語と補語、がそれぞれ同じ環の上(同じ軌道上)にあります。わざわざ「環」に見立てているのは、動詞の前後に現れるのが全く同じものであることが往々にしてあるから、だそうです。

さらに中国語の基本語順は「既知+未知」または「旧情報+新情報(話し手が最も伝えたいこと)」が大原則ですので、これを実現するために、主語が目的語の位置に移動したり、状語が補語の位置に来る、またはその逆が起こるそうです。

「书在这儿」が「这儿有书」にひっくり返るのも、結果補語などで「把」構文を使い目的語を前方に追い出すのも、そのような理由だからだそうです。なんだ~。最初からそう言ってくれれば、なぜそんな変てこなことをするのかすぐに納得したのに。(もっともまだ斬新な仮説だからNHKで話したりはできないのかもしれないけど)。

(説明が下手ですみません。分かりにくいと思う人はぜひ本を読んでください。\1,680の価値はあります。)

ちなみに間投詞(哎呀とか)と語気詞(啊とか)は、一番外側から文をサンドイッチしているそうです。遠藤先生のスキットで最初の頃出てきた表現を思い出しますね。「哎呀,是你呀!(おや、君じゃないか)」 これが、 外側から土星をはさむ二つの要素を使った例文だったとは、そのときは気が付きませんでした。

(次回はフランス語のセンス・オブ・ワンダーについて書きます。)

[今日の学習]
- 中国語実習コース + ラジオ入門編(喜多山)
- Improve Your French + 放送大学フランス語基礎

by L-monger | 2006-12-15 01:33 | 中国語 | Comments(2)  

Commented by 630叔叔 at 2006-12-18 21:39 x
土星の輪の理論。語順問題とか穴埋めなど、困ったときにはヒントになりそうですね。
Commented by L-monger at 2006-12-21 01:24
630叔叔さん、「土星の環」は英語の五文型と同じく、骨組みだけの理屈なので、実例として例文を覚えなければ、結局は無意味と思います。でも、納得いかなかった部分がすっきりしたので、そういう意味ではすばらしいです。

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