「独スト」とは「独語Kompass2ストーカー」の略で(詳しくは3つ前の記事参照)、2はその第2回目だ。シリーズ化してしまった(笑)。Kompass2では先週と今週の第9課と第10課で、形容詞の付加語的用法を学習した。「形容詞+名詞」の使い方だ。以下、第9課のページ。

どうにも見通しが悪かったので、最近愛用している「必携ドイツ文法総まとめ」(
アマゾンのページ)で学習しなおした。(まとめ方がうまくて、初級者の私にはほとんどすべての疑問が解消する万能の本だ。)今回のKompass2では1格と4格(しかも混合変化のみ)しか教えないが、それが見通しが悪い原因なので、全部を見てみた。(以下は、見開きの画像に合成し直している。)

表を見ただけで「これを暗記しなきゃならないの?うげー!」と拒否反応を示す人がいるようだが(「みちこさん英語をやりなおす」(
アマゾンのページ)など参照)、違う違う。よく見てごらん。例えば、a. の弱変化の表で薄青色の「-e」の部分があるだろう?これが不規則な部分なので、これ以外は全部規則的に「-en」となっていると考えれば、楽に理解できる。理解だけなら。しかし、覚えるときは文にして Ich möchte einen roten Wein.(私は赤ワインが1杯欲しいです)などと繰り返し口にして覚えないとぱっと出てこないけどね。(でも日本人は形容詞語尾の事を知らなくてもアイネ・クライネ・ナハトムジークって覚えているはずだ。これは女性名詞のケース。)
私なりに原則をまとめると「(冠詞類)+形容詞+名詞」の場合:
1. 格変化はどこかで示すことになっている。冠詞が示す場合や形容詞が示す場合がある。
2. 定冠詞(derなど)は「強い変化」であり、それ自身で格を示すので、形容詞の方は「弱い変化」で構わない。例えば男性名詞の場合、定冠詞のがわに-er, -es, -em, -enの語尾がある。
3. 不定冠詞(einなど)はところどころ「弱い変化」になってしまったときに格を示していないので、そこだけ形容詞の方で「強い変化」をして格を示す。例えば男性名詞1格は形容詞のがわに-erの語尾, 男性名詞2、3、4格は、不定冠詞のがわに-es, -em, -enの語尾がある。(混合変化)
4. 冠詞が付かない場合は、すべて形容詞の責任で「強い変化」をする。つまり男性名詞の場合、形容詞のがわに-er, -en(不規則), -em, -enの語尾がある。
返す返すも、形容詞の弱い変化で全部 -en になってないのが惜しいね。 -eなんて不規則系があるから難しく感じられる。
ここまでまとめて「あっ!」と気が付いた。混合変化の表をよく見てほしい。Kompass2で取り上げている、不定冠詞つきの男1、女1、中1/男4、女4、中4の6個のうち、男1、中1、中4が上記3番の例外に当てはまり(冠詞付きなのに、形容詞が強い変化)、そして女1も女4も形容詞が-eの不規則な方だ。
規則性を強調せず、不規則なのを主に教えてしまう教授法だったか!どうりで、見通しが立たないわけだ。(あと複数形も教えているが、第9課では冠詞なし、第10課で定冠詞付きと変えているのはなぜだろう?理由の説明はなかった。面白いなあ)